2018年1月26日、仮想通貨取引所コインチェックから仮想通貨ネム(XEM)時価580億円相当が不正送金される事件が発生しました。
これは2014年3月に起こったマウントゴックスによる時価115億円相当の消失事件より遥かに巨額で『人類史上最高額の盗難(ハッキング)事件』とも言われています。
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取引所の安易な選定に猛省
つい先日、記事にもしましたが私は当初、仮想通貨リップル(XRP)を長期保有する考えでいました。
しかし、仮想通貨の取り巻く環境に不安を感じ1月中旬に一旦手仕舞いをしました。
そこから間もなく、今回の事件が発生しました。
幸いにも手仕舞い後のため、コインチェック内には時価1,800円相当の残高しか残っていなかったので現状は被害を被っていないに等しいです。
しかし、あわや数十万の資産が凍結するところでした・・・
今回のことに『ギリギリ難を逃れてラッキー』とは全く思っていなく、むしろ猛省しています・・・
というのも、私は仮想通貨取引所の選定をあまりに楽観的に考えていたからです。
調べれば調べるほどコインチェック社の運営・管理体制、及び事案発生後の対応の杜撰さが露呈されてきています。
確かに今回のことで明るみになった新事実もありますが、私がコインチェックに登録する前から確認できたリスクも沢山ありました。
これまで、株式の投資候補銘柄は時間をかけてファンダメンタルズを分析し選定してきました。
一方、リップル(XRP)についても仮想通貨自体に懐疑的だった私が詳細を調べることで投資対象として判断するに至り実践しました。
しかし・・・
何故か仮想通貨取引所(販売所含む)については、HPをさっと眺めたり、仮想通貨運用ブログ等でレビューを見たりで、セキュリティ対策や会社としての運営状況といった本質を調べることもなく、コインチェックに決めていました。
実際にリップル(XRP)を取扱う取引所は限られているのも理由の1つではありましたが、多くの人が利用していることになんとなく安心し、『みんな使っているからここでいいか・・・』と安易に考えていました。
私が投資していく上で大切だと思っている『周りの感情や情報に流されてはいけない、自身の収集した情報と感覚で判断する』といことを軽視していました・・・
どんなにその銘柄が有望で今後大きく成長していくであろうとも、その銘柄を預ける場所に信頼性がなければ資産運用として本末転倒です。
今回、皮一枚で難を逃れることができましたが、自戒と備忘録を兼ねて改めコインチェックについて調べて纏めることにしました。
コインチェックの全貌と事案発生後の対応
コインチェックの過去経緯や現在の対応を見てみると同社の存続だけでなく、今後の仮想通貨市場全体へ大きな影響を与える懸念がありそうです。
その理由を以下に書きます。
※当ブログでは批判や否定的な発言をしないよう心掛けていますが、今回は一部そのような記述をしております。ご了承ください。
また、ソース記事全てが真実とは限りません。記事の信憑性については自己判断にてお願い致します。
記者会見の様子
私もリアルタイムでこの会見を見ていたのですが、『・・・検討中です。』、『・・・未定です。』という回答が8~9割位で事案発生から10数時間何を社内で協議していたのか?と思うのが正直なところです。
印象的だったコメントは以下です。
『出金を停止している理由が顧客の資産保護のため』
『セキュリティには万全の体制を取っていた』
『株主と協議しないと決められない』(筆頭株主は和田社長)
経営者としての自責に欠け、お客様に対する最善の対応を取っているとは思えない発言だと感じました。
サービスの安全性
会見でも述べているように流出したネム(XEM)は当時、ネットワークに常時接続された『ホットウォレット』で管理されていました。
また、ネム財団が推奨するセキュリテイ方式『マルチシグ』の採用も見置くったままでした。
一方、HPの『サービスの安全性』を見ると、確かに今回のネム(XEM)の件については必ずしも誤った表記(虚偽)には当てはまらないかもしれません。
(コールドウォレットの管理はビットコインについてしか言及していないため)
しかし、都合の悪い部分は伏せて、一般人が見たら『セキュリティ対策しっかりしているな』と思わせるような表記に問題がありそうです。
また、金融庁からの財務諸表提出を頑なに拒んでいる点や、後述する『ノミ行為』とも思われる過去の形跡から『お預かり金の管理』の記述についても怪しいものを感じてしまいます。
トップとしての資質
出会い系アプリ利用については、会社のトップとはいえ一男性であることからこれについては騒ぐことではないと個人的には感じています。(会社のトップとして節度ある振る舞いは必要ですが。)
私が如何なものかな?と感じたのはtwitterによる発言です。
『安全なオフィスの中から外の困ってる人を見るカイジみたいな遊びをしてる』
『人が倒れてたけどホームレスのおばさんで心配して損した』
100歩譲って心の中で思うまでとか、知人との会話の中でうっかり出てしまったとかならまだ解りますが、消えることなく拡散するSNSにおいてこのような発言をするのは会社のトップとしての資質を疑わざるを得ません。
(最近の若い子なら通る過ちかもしれませんが会社のトップともなればそんなことは理由になりません。)
このような思考・行動から、顧客や顧客の大切な資産に対しても同様の視点で見ているのではと思えてしまいます。
コインチェックの職場風景
580億吹っ飛ばしたコインチェックさんの仕事風景をご覧くださいhttps://t.co/frTXu95uhN
楽しそうやね(;^ω^) pic.twitter.com/AmW5K9lRDC
— sakamobi (@sakamobi) 2018年1月29日
最近では一般企業でもフリーアドレスとか、在宅ワークが積極的に取り入れられています。
問題の画像については、リラックスできる環境で最大限のパフォーマンスを発揮させるための職場環境なのかも?とポジティブに考えようとしても社員の風貌や態度を見ると何とも言えない残念な気持ちと不安感を覚えました。
参考にIT土方の知人へ、このコインチェックの仕事風景について感想を伺ったところ以下のコメントでした。
『IT業界では珍しくない風景かもね。一見やる気なさそうに見える子やチャラそうな子もいるし。
これは何?HPとかFBに載ってるの?
まぁ、こんな大学のサークルの乗りみたいな雰囲気の会社に自分の大切なお金を預けたいとは思わないけどね、俺なら(笑)』
私は激しく相槌すると同時に、穴があれば入りたいと思いました。。。
JPYでの返金と保証金額に疑問
早々に返金対応の知らせが流れ、会見時の不信感は多少払拭されたかに見えたのは一瞬だけでした。
内容を確認したところ『やはりそういう会社か・・・』という気持ちになりました。
補償時期が未定なのも然る事ながら、JPY(日本円相当)での返金です。
(しかもコインチェック口座内での返金なので現状では凍結解除されない限り出金すらできません。)
補償額となる約88円よりも安値で買った方も200円前後の高値掴みした方も、本来ならもっと高値を目指し長期保有を考えていたかもしれません。
そこでこのJPY返金(という名の強制利益確定)です。
どうやらこの利益確定は『損害賠償金の扱いになる可能性が高く、納税義務は発生しないのでは?』という意見もあるので、その点は利用者への負担は免れる可能性も出てきています。
しかし、上述のような長期投資を考えていた方の怒りは大きいかと思います。
また、補償額の算出が事案発生後の加重平均(JPY約88円相当)としていることにも疑問を感じます。
顧客の過失はないので最低でも事案発生直前の価額設定にするべきではないかと感じました。
業務改善命令の一部改ざん
普通は元文章データからコピペすると思うのですが途中の記述(『責任の明確化』)だけが抜けるのは不自然に感じます。
まさか仮想通貨を扱う会社がベタ打ちで転記しているとも思えませんし・・・
仮にそうだとしても、校正や最終確認でどれだけザルなのかと言えます。
そう考えると故意に改ざんしたと思われても仕方ないのかもしれません・・・
お上(金融庁)からの業務改善命令に対して??
業務改善(営業再開)する気があるのでしょうか・・・
リリース後、数時間(Twitterで騒がれ始めた頃)で修正及びそのお知らせが追記されましたが深い闇を感じずにはいられません・・・
原野商法とノミ行為が行われたと思われる痕跡
仮想通貨を扱うコインチェックの不審な動きが、奇しくもその仮想通貨のブロックチェーン技術から暴かれてしまったというところでしょうか。
これは当時(2017年4月~6月にかけて)も話題になっていたのでこのような不穏な出来事を確認せず登録した自分にも反省です。
資金凍結解除の期日は不透明
あくまで『出金の見通し』を数日中にお知らせするだけで、具体的な日程は未定のままです。
そして現状はアルトコインの取引、送金もできません。
何故か入金だけ受け付け可能であることに嫌な不安感を覚えます・・・
数百、数千万円相当の資産が凍結されている方はストレスが極限状態かと思います。
とにかく一刻も早く資金凍結解除をしてもらいたいものです。
また、仮に凍結解除するとしても、これまでの顧客への不安を増長するような対応を見る限り、一斉に出金しようとする動きがあるのは必至です。恐らくは1日あたりの上限額が設けられるのではと推測しています。
この発表(対応)次第で仮想通貨全体の価額も大きく変動しそうです。
5ちゃんねる元社員内部リーク
ふフィクションでもいいから藤原竜也主演で映画化してほしいわw RT @pyon: コインチェック元社員告発の5ちゃんねる抜粋 pic.twitter.com/E3dS5uwyOW
— 世界四季報( I oT) (@4ki4) 2018年1月30日
明確なエビデンスが無いので話半分で見る必要がありますが、自作自演・計画倒産説が浮上しています。
流石に尾ひれ背びれがついている感もありますが、コインチェックのこれまでの経緯や対応を見ていると『その可能性を完全に否定できない』と感じるのが正直なところです。
SBI北尾氏、コインチェックを猛烈批判
SBIバーチャルカレンシーズにて仮想通貨取扱事業を始めようとしている北尾氏にとってはかなり迷惑な出来事だったようです。
Twitterを見ていたら『SBIが草刈りをする前にコインチェックが焼け野原にした』と揶揄するツイートに思わず納得してしまいました。
確かにコインチェックへの猛烈批判(特にセキュリティにお金をかけずバンバンCMを流している点)は正論ではありますが、それを言うなら自社のシステム(証券アプリの不安定さ等)にもお金をかけて改善してもらいたいものです。
そして、北尾氏はコインチェックには支払い能力がないと言及しています。
真相はいかに・・・
あとがき
今回の騒動は仮想通貨システム上の欠陥ではなく、一取引所であるコインチェックの杜撰な経営・管理体制から招いた結果と言わざるを得ません。
そして、コインチェックの今後の対応により仮想通貨市場が大きな影響を受けることに間違いありません。
以前にも記事に書きましたが、私は仮想通貨の中でもリップル(XRP)について特に将来性を強く感じているので、この騒動や相場が落ち着くのを見極め、再度購入したいと考えています。
勿論、その時は取引所の検討には十分な精査をし、またリップル(XRP)保有後はハードウェアウォレットへ格納するつもりです。
(現在利用しているSBI証券と資金移動等の連携ができそうなのでSBIバーチャルカレンシーズで開設予定の取引所の利用を検討しています。)
とにかく、コインチェックの誠意ある対応に期待すると共に、資金凍結されている方の一刻も早い問題解決を願います。
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