最近のGNI(2160)は明らかにおかしい値動きです・・・
これは勿論良い意味でということです。
以前であれば、外的要因や個人投資家をターゲットにしたと思われるガラ等に対しダイレクトに株価への影響がありましたが、今はそんな不安定さはみじんも感じられません。
また本日は580~585円付近の激しい攻防、上にも下にも5円間隔で十数万の砦(蓋)・・・
複数の大人の思惑が入り乱れているようにも感じました。
◆2017年11月30日 取引詳細情報
前日値 :560円
始値 :559円
高値 :585円
安値 :548円
終値 :583円
出来高 :6,911,000株
時価総額:78,450百万円
◆機関空売り情報
2017年11月28日
Nomura International
残高数量: 836,000株
増減量 : 0株(再IN)
2017年11月24日
ドイツ銀行ロンドン支店
残高数量: 1,586,000株
増減量 : -173,000株
2017年11月22日
JPモルガン証券
残高数量: 1,066,847株
増減量 : -11,000株
2017年11月20日
GOLDMAN SACHS
残高数量: 790,255株
増減量 : -128,000株
2017年11月14日
Numeric Investors(Alt Beta)
残高数量: 1,519,000株
増減量 : +93,000株
2017年10月26日
Bogle(Offshore II)
残高数量: 842,084株
増減量 : +165,787株
小学校の頃、長縄にタイミング良く入れずに縄にぶつかっては泣いてを繰り返す間の悪いというかどんくさい子がいました。
そんな子がこのクラスの中にも。。。
またまた遅くなりましたが3Q決算単信・会社説明会資料所感記事をアップします。
今回の決算発表で一番待ちわびていたのが、やはりアイスーリュイの売上推移でした。
本記事ではこの点をメインに書いていきたいと思います。
◆平成29年12月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)
◆2017年12月期第3四半期決算説明会資料
<出典 株式会社ジーエヌアイグループ HP>
<関連記事>
◆ジーエヌアイ(2160)GNI 2017/1Q決算短信・説明会資料 個人的所感
◆ジーエヌアイ(2160)GNI 2017/2Q決算短信・説明会資料 個人的所感
◆ジーエヌアイ(2160)GNI IR問い合わせ|アイスーリュイ地域別保険、新工場、PL進捗他
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[ 目次 ]
苦節10年、初の四半期単体黒字化へ
いきなりですが、まずは業績ハイライトです。
『ジーエヌアイグループ <2160> [東証M] が11月10日大引け後(15:00)に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。17年12月期第3四半期累計(1-9月)の連結税引き前損益は1億5900万円の赤字(前年同期は6億2600万円の赤字)に赤字幅が縮小した。
会社側が発表した第3四半期累計の実績と据え置いた通期計画に基づいて、当社が試算した10-12月期(4Q)の連結税引き前利益は前年同期比76.3%増の4億2500万円に拡大する計算になる。
直近3ヵ月の実績である7-9月期(3Q)の連結税引き前損益は1800万円の黒字(前年同期は5600万円の赤字)に浮上し、売上営業損益率は前年同期の-15.4%→3.5%に急改善した。』
やはり文字だけではイメージし難いので前回に続き、単独四半期単位で業績を表とグラフで可視化しました。
綺麗な右肩上がりの推移を示しています。しかし、保険収載による影響や通期業績予想を意識して見ると『もう少し欲しかった』と思うのが正直なところでしょうか。
アイスーリュイ保険適用の売上の詳細状況については後述します。
前2Qと比較し、倍近く跳ね上がっています。これは多くの株主から批判を受けながらもM&AしたBerkeley Advanced Biomaterials LLC(以下BAB)の売上加算によるものです。
詳細については後述します。
単独四半期で恐らく創業以来(少なくとも2014年以降は確実に)初となる黒字化です。僅か2,600万円ですがこの黒字化の意味は非常に大きいです。
税引き前利益も1,800万円程ではありますが、単独四半期で黒字化を達成しています。(四半期最終利益についてはわずか500万円程の赤字)
尚、2016年4Qの突出した利益は以下の理由からです。
『当第3四半期連結会計期間から、当社は、アイスーリュイの販売活動について、販売代理店を活用する体制から自社人員の専任営業チームによる直販体制に移行しました。直販体制の実施を通じて、当社の連結子会社である北京コンチネント薬業有限公司(北京コンチネント)は、売上収益成長率の上昇と、中国市場のIPF患者及び医師に対するサポートを向上することが出来ました。』
<出典 株式会社ジーエヌアイグループ - 平成28年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)P.2>
こうして見ると売り上げ収益ほぼ倍増、営業利益・税引き前利益も黒字と大きな転換期が訪れたことが改め確認できます。
しかし、4月18日に発表した業績予想修正(BAB連結)ですが、3Qまでの推移から連想するに過大な目標だったのでは?と言わざるを得ません。
この点についても詳細は後述します。
2017年11月15日・17日 IR問い合わせ所感
アイスーリュイ売上推移や業績予想修正に関する所感は下の記事中に書いています。
それ以外の気になった中国F351と新工場についてピックアップして所感を書きます。
中国F351第2相治験進捗
F351を除き、その他パイプラインについては全般に遅延傾向ですが以前の個人株主親睦会でイン・ルオCEOが『限られたソースにプライオリティを持って進める』という発言が思い起こさせます。
それにしても中国F351の回答にはかなり驚かされました。
ルオさんが主任研究者の方と個別にコンタクトが取れているのかを探れればよかったのですが、『大きな方向性の判断ができる程度のコミュニケーションはしているかと思います。』と耳を疑うような発言があったからです。
『大きな方向性』・・・順調なのか、そうでないのかというよりも、もはやyesなのかnoなのかハッキリした方向性の会話が出来ているとしか言いようがないように感じます。
これは以前から記事に書いていますが、成功への確かな手応え(統計上優位な結果)が確認できていなければ米国での治験開始、学会発表(肝線維症のテーマ)、GEP-HKへの出資比率を最近更に高めた、BC社現及び新工場の米国GMP準拠(実施することを公言)等を先行して行うなんてことが出来るはずもありません。
そもそも限られたソースをF351に集約している(他のPL遅れからそのように見える)ことからも成功に向けての隠しようのない事実だと見て取れます。
また、同じく質問した『治験が完了した方に重篤な問題がない』との発言からも安全性への裏付けを取ることができました。
個人的にはF351は限りなく成功に向けて進んでいると感じています。
しかし、治験終了の判断はあくまでも主任研究者の采配によるところです。私も終了の時期について非常に気にかけていますが、年内治験完了に対する過度な期待はしない方が良いのかなと考えています。
新工場の進捗や現工場の生産能力
新工場の今後の工事進捗について詳しく確認することができました。
建屋の進捗から来年中頃にはもしかしたら稼働できるのかと思い質問しましたが、設備の据え付けやGMP認証にはそれなりに時間がかかってしまうことを再認識しました。
米国GMP準拠については『将来的に米国向けの製品をここから出荷する』というコメントからもF351の進捗が順調であると推して測ることができます。
そして新工場の生産能力も改め確認することができました。
2016年以前の現北京工場のアイスーリュイ生産能力対比で実に30倍もの生産能力となる訳です。また、これが日勤体制だけの生産能力ならば更なる増産も可能なことになります。
そして、第2の新工場計画(新工場建築計画書にあった第二期工事のこと?)も視野にいれているので、将来的には3桁億円単位の売上規模になることも期待されます。
アイスーリュイ売上予想を困難にさせる7つの要因
アイスーリュイの保険適用による売上予想・・・
私もこれまで幾度となく妄想的な試算をしてきましたが前例のない『不確定要素』が多すぎて結局妄想の域から出ることはできませんでした。 そもそも、当事者であるGNI(2160)ですら未だに本件に関わる業績予想修正を出せないでいることが如実にそれを物語っています。
前回、2Q決算単信・会社説明会所感でもこの不確定要素の面から私は『3Qも保険適用の影響は限定的』と予想していました。 外れることで有名な?私の予想が珍しく当たっていました(笑)
この不確定要素を更に詳しく調べて何とかアイスーリュイ保険適用売上の予想を試みましたが、調べれば調べるほどこの不確定要素が複雑に絡み合っていることが解りました。
そんな訳でギブアップです。。。
ただ、今まで時間を費やして調べてきたことが日の目を見ることもないのは悲しいので、この『不確定要素』について記事に書きたいと思います。
時間をかけて更に深く掘り下げて調べればもっと色々な問題が出てくるのかもしれませんが、私の結論としてはこの要素には大きく見て以下7点が存在するのではと考えています。
7つの要因とは?
①補償開始時期が不透明
アイスーリュイは中国で唯一承認された特発性肺線維症(以下IPF)治療薬のためリストに載らない省・管轄市はまず無いと考えられる。また政府は価格変更を要請していないという追い風の要素がある一方、省・管轄市ごとの補償開始までの過程や進捗がほとんんど見えてこない。 (国の定める期日通りに各省・管轄市が動いていない(ように見える)。GNI(2160)からの本件に対する開示が殆ど無く、また消極的。
※3Q会社説明会資料によりある程度進捗状況を把握することができるようになりました。
②委員会開催時期が病院ごとに異なる
各省・管轄市の薬品リストが改訂されてもアイスーリュイを使うか否か最終的な判断は各病院に委ねられる。この判断は病院内の委員会で審議され、採用されれば院内薬品リストに加わる。この委員会の開催は病院によりまちまちで、開催タイミングが1ヶ月の場合もあれば1年の場合もあり幅がる。
※大きな病院(取り扱う可能性が高い病院)程、この期間が短いのではと推測される。また、GNIはこの期間を1〜6ヶ月と見込んでいる。
③院内薬品リスト収載から売上までのラグ
院内薬品リストに収載されても直接的な売り上げに繋がるまでラグが生じる。つまり、院内薬品リストへの収載→業者(GNI)との契約→納品(出荷)とステップを踏むので院内薬品リストに収載されても実際に売上に計上されるまでに一定以上のラグが生じる。
※GNIは出荷=売上として計上している。
③保険自己負担率や補償内容の違い・その他個人の属性による浸透率の足かせ
罹患者の属性や環境により浸透率へ大きな影響を与えると考えられる。
大きな要因としては加入保険の種類や加入する地域で、自己負担率や補償内容(例えば限度額や対象範囲等)に大きな開きが出てくること。
しかしIPFの性質上、大気汚染の度合が高く人口過密な都市部に患者が多く、その診断可能な病院(3級病院クラスの設備や医師が充実した病院)も都市部に多く集中する傾向。 つまり都市部で補償の手厚い保険(都市従業者医療保険)に加入している患者がメインターゲットになることから都市部の浸透率は上昇傾向にある。
ただし、農村部においては自己負担率が高い場合や、保険の種類により保険適用されない場合もある。従ってこの層での浸透率上昇は限定的。
※農村部(主に鉱山地区等)でも大気汚染が深刻な地域もあるが診察できる病院数、患者数、加入保険等の状況から売上に寄与する数は限定的と推測される。(農村部の患者は近くに病院が無いので都市部の総合病院に出向いて受診している人もいる(以前IR問い合わせより))
※最近では各省・管轄市で都市農村一体型医保へ統合(補償内容は未確認)されつつある。補償内容が都市型を継承するのであれば、将来的には農村部の浸透率も上昇していく可能性もある。
※その他患者に起因する理由としては性別、年齢、喫煙状況、収入等があげられる。
④希少疾患であるために認知度不足(設備や診断医師の不足)
IPF患者数は約50万人(GNI・IRより)と推測されるが、適正な診断がなされず『隠れIPF患者』が潜在的に存在する。(IPFの診断は難しく誤診されるケースが多い。)また、IPF診断にはHRCT(高分解能CT)が必須とされるがまだ一部の病院でしか採用されていない。
※診断できる病院は③の通り、多くは3級病院だが最近では2級、1級病院(呼吸器系を専門にする町医者?)でもアイスーリュイの取り扱いが増え始めている。
⑥服用量を守らない患者
症状が緩和してきた場合、独自の判断で服用量を減らす人や漢方薬等に一時的に切り替える人がいる。(保険適用によりその数は減少傾向にあると推測するが、それでも低所得層については保険適用後であっても継続的な支払が困難となる人が一定数存在し続けると推測される)
⑦需要と供給に対するバランス
アイスーリュイの保険適用による需要は現在緩やかな上昇傾向だが、今後想定外な需要が訪れた時に供給(生産)能力不足となる可能性がある。将来の状況を見越しているとGNIからの回答だが、想定外の需要に対し更にどの程度稼働率が高められる(人員確保、品質を維持しながら)かが課題となる。
これらの不確定要素が複雑に影響し合うので、単純な人口比率やいくつかの条件だけでは簡単に売上を推測できるものではないと改め感じました。
参考資料
折角のなのでアイスーリュイ保険売上予想する際に参考にしたサイトを紹介します。 資料によっては膨大な情報で全てに目を通し切れていません。 深く調べることで今後のアイスーリュイ売上増加時期を予見できる情報があるかもしれません。
◆中国における初の住民医療皆保険制度の実施
上海市において都市部住民基本医療保険と新型農村医療保険の統合されたという記事。
◆都市・農村統合医療保険制度、2017年実施へ
中国人的資源・社会保障部が『2017年には都市・農村統一医療保険制度の実施をスタートするよう尽力する』と発表したという記事
◆中国医薬事情2014
中国の保険制度、医療機関、薬品事情全般に関連する非常に詳しく書かれた資料
◆保険に加入できず医療費全額自己負担で治療断念の中国人続出
医療保険の種類や加入する地域により自己負担額は大きく異なり満足に治療できない人もいるという記事
◆福建省药械联合限价阳光采购网 - 药品价格信息公众査洵平台
福建省の薬品情報プラットホーム
“吡非尼酮胶囊”で検索することで現在アイスーリュイを取扱う病院を確認することができる
◆特発性間質性肺炎の診断・治療ガイドライン
特発性間質性肺炎の診断・治療ガイドライン
◆特発性肺線維症は一般的に誤診します
特発性肺線維症は類似の肺疾患に誤診されやすいこと、HRCT(高分解能CT)が必要であることが書かれた記事
◆良い医者オンライン
IPFを診断できる医師が検索できます
それでもなんとか売上推移をイメージしてみたい
4Q以降、アイスーリュイ保険適用の売上イメージ
アイスーリュイの保険適用による売上予想は断念しましたが、せめてどんなイメージで推移していくのか『雰囲気』だけでも掴めないかと考えました。
不確定要素となる複数のパラメータ情報と複雑な計算式を用いて予測することはできませんが、これまでのIR情報・IR問い合わせから得た『文言』からその『雰囲気』をイメージ化できればと思い以下のようなイメージ図を作成していました。
【特記事項】
※人口、人口比率についてはWikipediaの情報を引用しています。
※本表は保険収載の売上推移を表現するもので保険収載されていない売上は考慮していません。
※各省・管轄市の売上開始のタイミングや増大推移はあくまでイメージです。
かなり細かなグラフとなってしまいました。。。 スマホの場合は横画面にしたり拡大して参照願います。
まず、四半期毎の保険収載による売上がどの程度であったかを振り返ります。
①2Q売上実績
◆2017.4.23IRより
『2017年4月23日、福建省は、新保険目録に基づくアイスーリュイの補償等の実施を開始し、いくつかの主要病院の院内薬局における在庫にアイスーリュイ加わったと発表』
◆2017.8.18IR電話問い合わせ
『厳密に言うとわずかに売り上げがあり、その分も計上されています。』
このことから福建省の極一部の地域で売上があったことが確認できます。
②3Q売上実績
◆2017.11.10IRより
『各省における補償等の実施が遅れているため、ピルフェニドン(アイスーリュイの一般名)の新保険目録収載が売上に与えた影響は依然として限られていますが・・』
◆2017.11.17IR電話問い合わせ
『保険の影響は福建省と9月1日公表日の省・管轄市であるが影響は限定的』
※IRへの電話問い合わせから『雲南・湖南』も実質全てのプロセスは済と見て問題ないことが解りました。
ただし、この2省は申請には煩雑な手続きを要するため初動は遅れて来ると想定されます。
(オレンジ色部の3Q売上は実質ゼロと考えられる)
※公表日が9月1日からの省・管轄市が3Q(の9月分)としての売上が立ったと考えられますが、実際にはある省で例えばオンライン掲載日が9月15日だった可能性もあるはずです。
また、仮に公表日≒オンライン掲載日であったとしても、その間に病院内の委員会がタイミング良く開催され、かつ納品(出荷)される必要があります。
つまり売り上げまでに反映できる期間は丸々一ヶ月あった訳ではないのでかなり限定された数値だと推測されます。
これらのことから9月1日公表日の省・管轄市であっても実際に売上に反映される分は極めて限定的であったことが確認できます。
③4Q売上イメージ予想
3Qで全てのプロセスを完了していた省・管轄市の薬品リスト収載病院が本格的に増加してくると予想されます。また、4Q以降にすべてのプロセスが完了する省・管轄市(単純な人口比率での比較で約50%相当)が徐々に加わることから4Qは更に増加されると予想されます。
※アイスーリュイの服用量についても売上増加の追い風となります。これは、推奨される服用量が初回600mgで一ヶ月かけて段階的に服用量が増えていき、最終的には1,800mgとなるからです。つまり、3Qから償還開始している省・管轄市で仮に追加採用の病院が全く増えないと仮定しても、4Qでは売上が2~3倍(※)程度になると推測されます。
ただし、不確定要素でも上げた通り、どれだけ正しく服用してくれるかがポイントになります。
(※)各患者の服用開始時期がまちまちであるため正確な倍率は断定はできません。
3Qアイスーリュイ売上増加分の内訳イメージ
これはもう言葉遊びというか、都合の良い解釈とも言えますが・・・
前段同様にIR問い合わせから得た『文言』から3Q売上増加分の内訳をイメージ化してみました。
ポイントとなるのは以下3点です。
①2Q→3Qの売上は25%(7,800万円)の増加
②2Q→3Q売上増加分(①)の保険影響は限定的
③3Q保険影響分売上のうち、福建省以外は限定的
これ等の情報から以下のグラフを作成しました。
【特記事項】
※『限定的』という文言を明確な数値に置き換えることができません。 個人的な感覚としては全体に対し10%程度とイメージしていますが、ここは多めに見て全体に対して20%と仮定しました。
あくまでイメージではありますが、2017年3Q売上を見ると保険の影響(緑・紫)なんて全体の売上から見ると本当に僅かです。
また、先ほどの表も踏まえ考えると、保険適用の売上は『初動』と呼ぶにも値しない位の前段階で、計り知れない上昇余地を持っていることだけは間違いなく言えそうです。
通期業績予想は達成できるのか?
冒頭にも書きましたが、4月18日の業績予想修正に対して3Q現時点での売上進捗率は約50%です。果たして目標達成できるのか?非常に気になるところです。
まずはこの4Qをセグメント毎にどの程度の売上を達成していく必要があるのか考えてみたいと思います。
以下はこれまでの売上高をセグメント別に表・グラフに置き換えたものです。
①BAB売上目標
こうして見るとBABの3Q(8・9月2ヶ月のみ)売上が光ります。
M&A時からBABについて色々調べてきましたが、非常に大きな可能性を秘めている会社であり、今後アイスーリュイ保険適用による売上に肉薄する位、成長していくのではと考えています。
ただし、先日のIR問い合わせから新製品、SG社経由バイオマテリアル販売は直近では大きな影響はないとコメントしていました。従って4Qは3Qの3億円に対し1.5倍(3ヶ月分)とざっくり4.5億円の売上と想定されます。
②その他売上目標
その他については直近の推移から同程度の0.6億円と仮定します。 このセグメントには主に漢方薬やBC社の既存製品が対象ですが、大きく変動するような背景はなさそうです。(強いて言えばアイスーリュイ保険適用により漢方薬が若干減少することはあるのかも?)また、冷却シートもここに含まれますが、こちらも2Q決算単信・会社説明会所感で考察しました通り、王者小林製薬の牙城を崩すには暫く時間がかかると予想されるので影響は限定的だと考えます。
③アイスーリュイ売上目標
これまでの各セグメント売上目標から逆算すると、アイスーリュイは約9.5億円売り上げる必要があります。
目標を達成させる手段としては先日のIR問い合わせから以下の回答がありました。
(A)4Qは通年で一番売上が伸びる時期
(B)営業努力により不足分を補う
(A)はIPFの性質上、この時期に苦しくなる患者が増えるので期待できる要因ですが、『予想を困難にさせる7つの要素④』でも書いた通りIPFは希少疾患で診断が難しい故に、いかにMR活動によってその裾野を広げられるかが鍵となります。
つまり(A)の潜在的な患者含め浸透率を上げていくためには(B)が重要であると私は考えています。
これは勿論、GNI(2160)としても重要な位置づけと判断しています。
『直販体制の実施を通じて(中略)売上収益成長率の上昇と、中国市場のIPF患者及び医師に対するサポートを向上することが出来ました。』
<出典 株式会社ジーエヌアイグループ 平成28年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)>
また、参考資料で紹介しました『◆良い医者オンライン 』
IPF診断できる医師を定期的にウオッチしていましたが、以下の通り半年で約25%も増加していたことが確認できました。
5/24 203人
8/31 229人
11/29 252人
業界の人間ではないので根拠はありませんが、この増加率はかなり速いペースなのではと感じます。
これは保険収載の要因も勿論ですが、BC社営業部隊が頑張ってMR活動してきた現れではないかと感じています。
また、IR問い合わせでは『4等分して考えるなら厳しいと思います。』というコメント。
これは『3Qまでの売上の積み上げは予定通りで、残りは4Qで達成するんですよ。』と、ある意味自信ありとも取れる発言が気になりました。
アイスーリュイ目標売上となる約9.5億円とは奇しくも売上激増した2016年4Q売上(4.76億円)のほぼ2倍です。
しかし、当時に比べ営業部隊も増員され、MR活動により当時以上に患者・医師にIPFの認知度が上がっていること、3Qまでの保険償還が極めて限定的で4Q以降にこの大きな動きが現れる可能性が高いことからも決して不可能なハードルではないと考えています。
あとがき
ついに単独四半期でありますが、税引前黒字となりました。
決算発表以降の株価は明らかに今までのGNI(2160)とは異なり、力強くて底堅い値動きになりました。
よく、『赤字だった企業が黒字転換するときに株価は大きく上昇する』とも言われていますが、GNI(2160)はまさにその転換期ともいえる段階に入ったのだと感じています。
保険の売上に対する影響については現状、極めて限定的であることは間違いありません。どれ位のペースでそれが拡大していくかは結局イメージ(思惑)からしか想定できませんが、本文に書いた様々な理由から、4Qに大きな動きとして現れる可能性が高いと私は思っています。
それからこれも個人的な考えですが、業績予想上方修正は来年1月中から決算発表前にかけてと予想しています。理由はこれまで記事で書いてきた通りです。
いずれにしても4Q決算発表は非常に楽しみです。
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通期下方で一旦下げるくらいはみんな覚悟しておいた方がいいと思う。
その先は上がるでしょうけど。
>774さん
仰る通り、その可能性も否定はできませんね。
私も4Qの売上の伸びはあくまで可能性が高いと思っているだけで断定するつもりはありません。
また、個人的にはもう少し買い増ししたい思いもあるので、そうなったらそうなったで買い増しできるよう資金をなんとか工面したいと思っています。
近い将来に目に見えて力強い上昇があることを期待したいです。
いつも詳しい分析、解説を読ませていただき、有難うございます。
私の持ち株は4000株で、安月給のサラリーマンとしてはかなり頑張った投資額です。
GNIの株価の乱高下に戸惑っていましたが、ご解説を読んでホッと安心しました。
GNIは年間売り上げが20億円を超えるまでに成長したんですね。
今後もGNIの成長を楽しみにしています。
>もぐらさん
コメントありがとうございます。
今回の記事の特にアイス売上予想は確たるエビデンスに基づいて書いている訳ではないので、トイレの落書き程度に考えて頂ければと思います。。
いえいえ、安月給でなくてもGNIで4,000株を集めることがいかに大変か私も十分理解しております。
きっと大切な資金を充てていることと思いますので良いタイミングで利確できるといいですね。
来年以降、GNIの成長がとでも楽しみですね。
貴重な情報いつもありがとうございます。私が買った株でここまでたくさんの外資が大量に空売りは初めてです。これから素晴らしい成長期に入るはずなのに?こういうことはよくある事なのでしょうか?
>たまさん
コメントありがとうございます。
他銘柄の空売り状況を詳しくウオッチしていないので解りませんが、GNIは以前から多い部類だと思っています。
浮動株の多さ、個人株主の比率、安定株主不在等から株価をコントロールし易いことが原因だと推測しています。
好き放題出来るのは本当に今の内だと思います。
お忙しいなか答えていだだきありがとうございます。この先を楽しみにして保有していきたいと思います。
>たまさん
そうですね。
来年は今までにない楽しみがいっぱいな予感がします。