下げトレンドは続き、ついに75日移動平均線も割りました。
ただし5日移動平均線にもかろうじて乗っているのでここから更に下げるか持ち直すかどちらにでも取れそうなチャートです。
行使まであと2営業日、どちらに動きだすのでしょうか・・・
◆2017年4月28日 取引詳細情報
前日値 :479円
始値 :485円
高値 :496円
安値 :445円
終値 :447円
出来高 :9,035,000株
時価総額:51,143百万円
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[ 目次 ]
『エキサイティング』の真意
『2017年はエキサイティングな年になる』
確かになっていますね・・・
いや・・・
こんな阿鼻叫喚な状況ではなく、私はGNI(2160)もその薬を使う患者も株主も全てがHAPPYになれる『エキサイティング』な出来事を期待しているのです。
かなりの方が今回の株価下落、不透明なIRでGNI(2160)に対して不信感を通り越し、憎悪さえ抱いているかと思います。
IRが出た当初は私も同じ思いがありました。
しかし、IRの全文をしっかり読み・理解し、関連事項を深く調べることによりGNI(2160)の目指す方向性が見えてきた気がしています。
謎を解く鍵となる可能性として以下3点についてまず纏めたいと思います。
・買収したBerkeley Advanced Biomaterials, Inc.
・米国で持分法適用関連会社化しているIriSys, LLC
・米国におけるF351進捗及び予定
買収したBerkeley Advanced Biomaterials, Inc.
会社概要
所在地:米国カリフォルニア州
代表取締役:François Génin, Ph.D.
GNI持分比率:70%
主要事業:ヒドロキシアパタイト及びカルシウムを主成分とする生体材料(代替骨)の製造に特化し、米国及び欧州各国内での整形外科領 域の手術や脊椎外科手術で用いられている移植可能な生体吸収性のある生体材料を開 発、販売
FDAのcGMP準拠
GMP(Good Manufacturing Practice)とは適正製造基準の略で、成分の不足やバラツキ、汚染・混合がない製品(食品・薬品・化粧品)を製造するための品質管理ルールです。 そして、cGMP(current Good Manufacturing Practice)はFDAが提唱するGMPの上位互換の位置づけで、品質管理・製造過程等基準が段違いに厳格化されています。
ISO13485準拠
まず、ISO 9001について知る必要があります。これは品質マネジメントシステム(Quality Management System)のことです。よく日本でも工場などで取得しているのを見かけるかと思います。しかしこのISO9001は製品の設計・開発、製造、保守等汎用的な意味での品質マネジメントシステムです。そこで医薬品・医療機器の安全性や品質に特化したマネジメントシステムがISO13485となります。
上海ジェノミクスへの技術供与
2009年6月有価証券報告書P.7
『(技術開発)Gu BangはShanghai Genomics, Inc.が米国Berkeley Advanced Biomaterials, Inc.からの技術指導を受け、中国での臨床試験を経て開発したバイオマテリアルであります。』
この有価証券報告書から過去に上海ジェノミクスとは繋がりがあったことが確認できます。
艾思瑞吡非尼酮胶囊(F647)、羟尼酮胶囊(F351)等の開発専念によりその後、販売はしていないようですが買収により将来的には中国でのマーケット拡大も考えられそうです。
今回の買収は姉が大株主という点がクローズアップされていますがこのことからも技術的・戦略的な理由が大きいと考えられます。
日本市場における技術力の優位性
日本市場においても製品を販売することを視野に入れていますが人口骨マーケットについて競合他社に対し、大きなアドバンテージがあります。
③IR(用途)にもありますが、一般的な施術方法として2度の手術(苦痛)を受ける必要があるけれど、BABの人口骨は1回で済みます。この違いは大きいかと思います。
BABバイオマテリアル技術力の高さが窺い知れます。
大株主のピン・ルオ
Dr. Ping Luo経歴
・BAB大株主にして博士号を持つイン・ルオの姉
・多岐に渡る研究・実績、教育・出版活動
・国や州からも認められ数々の助成金を受ける
DDSに関連すると思われる特許(BAB,HPより)
・Ping Luo、「核ハイドロキシアパタイト材料を処理する方法」、 米国特許第5994609号 、1999年11月
・Ping Luo、「ヒドロキシアパタイト粉末およびバルク材料の合成方法」、 米国特許第5858318号 、1999年1月
※DDS(ドラッグデリバリーシステム): 薬を服用した際、患部までたどり着いて効き目を発揮するのは服用量のわずか1/10~1/100程度に過ぎません。また、薬の成分によっては体内で分解されて効力がなくなる場合もあります。そして状況によっては必要のない部位に作用し、悪影響(副作用)を引き起こすこともあります。ような欠点を改善し、幹部に適量の薬が届き的確な効果を発揮させるための仕組みを言います。
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米国で持分法適用関連会社化したIriSys, LLC
会社概要
所在地:米国カリフォルニア州
代表取締役:Gerald J. Yakatan, Ph.D
GNI持分比率:35%
主要事業:医薬品の受託研究事業、GMPに準拠した臨床試験薬及び商業用の医薬品の受託製造事業、創薬過程のコンサルティング事業
FDAのcGMP準拠
BAB同様にFDAの『品質基準準拠認定』施設
FDA治験プロ集団
『IriSysの科学的および規制上の経験には、発見から第I相、第II相、第III相への商業化への100以上の医薬品の移動が含まれます。』
『IriSysは、米国FDAの承認プロセスを通じて、外国企業が医薬品を持ち出すのを助けます。』
IriSys、LLC ,HP
Gerald J. Yakatanの経歴
ブロックバスターとも言えるあまりにも有名な高脂血症用薬リピターの開発者のひとり。(日本名『リピトール』)
<特許薬の一例(開発者名にヤカタン博士の名前があります。)>
Lipid regulating compositions EP 0276807 A3
Lpid regulating compositions WO 1988005296 A3
リピターの売り上げがあまりにも巨額だったため開発元のワーナー・ランバート社はファイザーに目を付けられ買収(ファイザーモデル)されてしまうことになりました。
イン・ルオCEOは彼を敬愛すると共に彼の功績は今後の事業展開に非常に強力な助けになると感じ、オファーした経緯があります。
メトロコネク賞受賞
サンディエゴの15社がメトロコネクト賞を受賞
※メトロコネク賞は、ゴー・グバルサンディエイニシアチブ の主要プログラムで、米国の 中小企業が世界市場に挑戦するための資 金を提供するものです。
上海事業所設立
当社持分法適用関連会社IriSys, LLCの上海における事業開発事務所設立に関するお知らせ
『IriSys, LLCは、アジアに拠点を置く革新的な企業が米国規制当局や米国市場にアクセスするためのギャップを埋めるなどのアジアに焦点を当てた戦略を開始しました。創業者であり会長兼CEOのジェラルド・ユカタン博士は、「我々の製剤化技術とこれまでにないドラッグデリバリー技術に加え、米国食品医薬局(FDA)関連のコンサルティングサービスは、米国における医薬品開発を望む中国及び日本の中小製薬企業にとって非常に有用なものであります。当社の上海事務所は、中国、日本、及びその他のアジア諸国におけるビジネスの発展に資することになります』と述べております。
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米国におけるF351進捗及び予定
2016年03月 FDAへIND申請
2016年05月 FDAによる治験許可申請に対する追加データ(※)の提出要請を受領
2016年07月 米国GLP基準に準拠した試験を第三者に委託
・・・
2017年07月 (BAB M&A契約締結予定)
・・・
2017年12月 試験結果を纏めた補足資料(IND申請の補完資料)を提出予定
2018年0X月 第2相臨床試験準備及びブリッジスタディー予定(IRより)
※米国GLP基準に準拠した最低8日間の毒性試験結果
BAB買収・増資の真意とは
全てが見えず不透明な部分があります。
また、個人的主観が大いに含まれていますが私が思うに今回のBAB買収・増資の真意は以下と考えます。
何故今BAB買収なのか?
これはIR冒頭に書いていることそのままかと思います。
Berkeley Advanced Biomaterial,Inc.の買収について
①製品分野及び営業地域拡大によるリスク低減
②米国での収益及び健全な財務基盤を享受することができ早期黒字化
①は中・長期的な目線で重要、③短~長期的な目線で重要な理由だったと考えられます。
尚、②早期黒字化については疑念が残ります。
そうです。中国でアイスーリュイ保険収載が決まり売り上げが著しく(1年後に最低でも10倍以上想定)伸びるということがほぼ確実視されているのにです。
これはやはり、米国でのF351治験開始にあたりアイスーリュイの売り上げを待つことが出来ず、FDA治験開始の際のある条件から早期黒字化が求められたと推測されます。
ある条件とは・・・
米国(FDA)での治験には当該企業の財務状況(黒字経営)が強く求められます。
Financial Disclosure*(FDA21 CFR, part 54)
(1)金銭的利害関係がないこと
→「臨床研究者と治験依頼者間での金銭的な利害から、臨床試験の結果にバイアス(偏り)が入らないか」について判断するため
(2)治験中及びその後の被験者の健康を守ること
→FDAは治験者(スポンサー)に質の高い治験実施機関を探す責任があるため
(赤字企業で財務が健全でないと治験の継続ができなくなるリスク(治験中に最悪副作用で機能障害後遺症や死亡の可能性)があり被験者の保護、延いてはFDAの信用関係に傷をつけることになりかねないから)
『米国におけるF351進捗及び予定』にありますが2016年8月の追加毒性試験から2017年12月予定のIND申請まで不自然に空白の期間があります。
厳格なFDAに対し、『忙しくて申請が遅れている』や『今ちょっとお金がないんで待ってください』は通用しないかと考えます。
FDAも初回IND申請時(2016年03月)にF351のポテンシャルを感じ取り、米国基準の毒性試験を求め、更に中国での第2相結果の信憑性を得るためにブリッジスタディーと第2相からの開始を提案(要求)したのかもしれません。
また、その流れで『治験を優遇してあげるから早期に財務を健全にしなさい』的なやり取りがあったのではないかと推測しています。
では、なぜBABなのか。
個人的にBABのスペック(財務・技術・特許・規模)を考えると買収額65億円は決して高い買い物ではないと考えています。
M&Aは受ける側にとっては反対派も当然多いはずです。
大株主であった姉が関与したからこそスムーズに進められたのかもしれません。(将来有望な黒字会社を合理的にM&Aできた)
また、BABは昔からGNI(2160)との繋がりも強く、①の理由(製品分野及び営業地域拡大)を適える企業として将来的にも有利に働くことが予想されます。
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何故今増資なのか?
BAB買収は米国でのF351治験開始にあたりアイスーリュイの売り上げを待つことが出来ないと書きました。
つまり喫緊なる事情によりその原資を増資という方法で選んだかと考えられます。
※MSワラントについて『悪』のようにネットでは散見しますが、よく調べた結果これについても私はGNI(2160)の選択は間違いではないと考え始めています。
この件についてはまた別の記事にでも・・・
次に米国F351の治験の増資についてですが、
当初、米国F351の治験にGNI(2160)はパートナーを探していました。
方針を変えた理由は何なのでしょうか。
考えられることは大きく2点です。
①BAB、IriSys, LLC、中国関連会社との連携により自前で治験を進められると判断した
→治験はIriSys, LLCがメインに動き、上海ジェノミクス・北京コンチネントが中国F351治験情報展開・サポート、BABはもしかしたら治験サポート・治験用F351製作等あるかもしれません。
これら関連会社を駆使することで実施できると判断した結果、自前でその費用を捻出する必要があったからと推測しています。
②メガファーマに協力してもらうことを契機にF351を安く買いたたかれる、GNI(2160)が買収されてしまう恐れ
→『ヤカタン博士(Dr Gerald Yakatan)を知る人はみんな揃ってこんな事を言う。
日本のGNI社が第2の「高脂血症薬・リピトール」を作りだそうとしている。今度の舞台はアメリカと中国だと。』ヤカタン博士のことを調べていたらこんな経緯を発見しました。(ソースがないので信憑性は?ではあります)
ファイザーに買収されたワーナー・ランバート社の元開発者ヤカタン博士と米国でF351を治験を進めようとするイン・ルオCEO。
彼から色々な話を聞き、パートナー選びはとても慎重だったかもしれません。
それにしてもいったいどこまで自前で治験を進めるのでしょうか。
まさかで全て自前でやってのけて上市なんてこともイン・ルオCEOの頭の中にはあるのでしょうか・・・
尚、その他パイプラインに対する増資の理由については調べきれていないので現時点で不明です。
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あとがき
かなり都合の良い解釈(妄想)をしてしまいましたが以上の理由からBAB買収・増資したのではと考えています。
そして今回のIRについて、IRの出す順番、買収理由、増資理由を明確に説明していない点について、公にできない何かがあると思われます。
長期目線で応援している私でも今回の件は憤りを感じていますし、今の株価に対し不愉快に感じています。
『そんな凄いこと水面下で進めてたのかよ!言ってよー、あ。。こんなこと言えないか(笑)』ってモニタを見つめながら呟く自分が居ることを信じて待つことにします。
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