じりじりと株価が下落する中、本日5月25日に新株予約権行使のIRが出されました。
EDINETの空売り情報と照合て比較していませんがこの低迷する株価推移でも思ったより行使しているかなと感じました。
依然、3社の空売りが300万近く、信用買残1,000万超えとマグマはかなり溜まった状態でちょっとした刺激(IR)で一気に吹き上げるのかもしれません。
◆2017年5月25日 取引詳細情報
前日値 :427円
始値 :430円
高値 :435円
安値 :419円
終値 :423円
出来高 :3,821,000株
時価総額:48,397百万円
◆機関空売り情報
2017年5月25日
モルガン・スタンレーMUFG
残高数量:1,323,299株
増減量 : +228,000株
2017年5月24日
JPモルガン証券
残高数量:1, 031,847株
増減量 : +67,000株
2017年5月25日
ドイツ銀行ロンドン支店
残高数量:1,001,000株
増減量 : -52,000株
少し前になりすが5月22日、GNIホームページに新たな『お知らせ』が掲載されました。
当社社長のイン・ルオが第15回ディスカバリー・オン・ターゲット学会にて発表を行います。
『2017年9月25日から29日まで米国マサチューセッツ州ボストンにおいて開催される学会、第15回ディスカバリー・オン・ターゲット(The 15th Annual Discovery on Target、主催:Cambridge Healthcare Institute 、CHI)のうちの主要セッションの一つである「非アルコール性脂肪肝炎と線維症」(NASH and Fibrosis)において、当社社長のイン・ルオが「肺線維症から肝線維症へ」と題した発表を行います。
本学会は新規創薬標的に関する製薬業界の重要イベントと位置づけされ、創薬に携わる専門職1,200人以上が集まり、新たな低分子医薬品や生物製剤の開発に向けた、現在および将来の重要な標的や技術、検証戦略をめぐって活発な議論を展開します。』
<出展 株式会社ジーエヌアイグループ HP>
NASH and Fibrosis
『非アルコール性脂肪性肝炎 (NASH) と線維症をテーマにしたこのカンファレンスプログラムでは、急速に進歩する新たな治療薬候補の最新動向が紹介され、医療の世界で徐々に重要性を増しつつあるこの分野の創薬戦略をめぐって議論が展開されます。』
<出典 Discovery on Target公式HP>
私はこの学会発表がGNI(2160)にとってF351米国進出の大きな布石になるのではと感じました。
そこで今回はこの学会でイン・ルオCEOが発表するテーマ『非アルコール性脂肪肝炎(NASH)』と線維症に関連するブロックバスター候補とも言われる『F351』について書きたいと思います。
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[ 目次 ]
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)とは
vol.67 お酒を飲まなくても注意! 非アルコール性脂肪肝
『脂肪肝というと、「アルコールをたくさん飲む人の病気」と思われてきました。
ところが、アルコールをまったく飲まない人や、少しだけ飲むという人にも脂肪肝が増えています。それが非アルコール性脂肪肝(NASH)です。
脂肪肝というのは、肝臓に必要以上の中性脂肪がたまった状態のこと。
(中略)脂肪肝→(酸化ストレスなどが加わって炎症が起こり、肝機能が低下する)→脂肪肝炎→(肝臓の線維化が進み、機能が極度に低下する)→肝硬変→(線維化が全体に及び、末期的状態へ)→肝がん。』
<出典 OMRON 健康コラム・レシピ>
以前はアルコールによる脂肪肝ASH(alcoholic steatohepatitis)が一般的でしたが近年はメタボリックシンドローム、肥満、糖尿病といった生活習慣病が大きく関わり、NASH(non alcoholic steatohepatitis)罹患者が急増し深刻な問題とされています。
その罹患者ですが国内で約100~300万人、アメリカで約900~1,500万人と推定されています。
そして(中略)以降のフローを着目すると、炎症(ストレスを契機)が起こることにより線維化が進み肝機能が悪化していくというのです。
そうです、あの『線維化』です。
非アルコール性脂肪肝(NASH)の進行を抑制するには抗線維化が鍵となるのです。
そして、非アルコール性脂肪肝(NASH)は現在、世界中で確立した治療法が存在していません。
<参考>
非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)とは
NAFLD(no nalcoholic fatty liver disease)はアルコールを原因としない脂肪肝でこの点はNASHと同義です。NAFLDの8~9割は炎症や線維化を伴わない脂肪肝(単純性脂肪肝)である点がNASHとの大きな違いです。しかし、90%以上が肥満、2型糖尿病、高血圧、脂質異常症等の生活習慣病を合併するのでこの点で問題視されています。
罹患者数は国内で約1,000万人、アメリカで約3,000万人とも言われています。
全世界のNASH及びNAFLD市場は、350億米ドル(ドイツ銀行調査)と推測されている。
<参考出展 株式会社ジーエヌアイグループ HP>
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各疾患においても炎症段階での線維化抑制が鍵
肝線維症は線維化される肝臓疾患の総称ですが、例えば前段の非アルコール性脂肪肝(NASH)は肥満により肝臓に過度の脂肪が付着→この脂肪により肝臓が圧迫され血流が悪化する→炎症を起こす→コラーゲンが過剰合成される→線維化と進みます。
その他の肝線維症(悪化すると肝硬変・肝がんとなる)として、アルコール性脂肪肝炎(ASH)、ウイルス性肝炎(B型肝炎、C型肝炎など)、原発性胆汁性胆管炎、原発性硬化性胆管炎、ヘモクロマトーシス、自己免疫性肝炎、肝レンズ核変性症(Wilson病)等が存在するようです。
それぞれの疾患は何らかの内的または外的要因により肝臓に炎症(肝炎)を引き起こします。
そこから先は上記アルコール性脂肪肝炎(NASH)と同じ進行となります。
つまり、契機となった要因は各疾患で異なりますが肝炎→線維化は共通の流れであることから線維化を抑制(抗線維化)することがこれら全ての疾患に対しても有効で、予後を大きく改善するものと考えられます。
※炎症(肝炎)の段階であれば可逆的疾患ですが(線維化により)肝硬変まで進行すると不可逆的な疾患となることからも線維症を抑制することが重要だと言えます。
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特発性肺線維症薬ピルフェニドンがNASHに有効か
既存薬剤ピルフェニドン、非アルコール性脂肪肝炎にも有効か-東京医科歯科大
東京医科歯科大学は3月16日、既存の薬剤であるピルフェニドンがマウスの非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を著しく抑制すると発表した。
<出典 医療NEWS>
プレス通知資料(研究成果)
<出典 九州大学 研究成果>
特発性肺線維症に対する治療薬『ピルフェニドン』により、肝臓の炎症所見と線維化を著しく抑制したとあります。
これは動物モデル研究でピルフェニドンの抗線維化作用が肝臓にも効果があることが立証されたニュースです。
ところで話は逸れますが、このピルフェニドンはどこから提供されたのでしょうか。
日本なので塩野義製薬のピレスパと考えるのが妥当ですが・・・
・九州大学(福岡県福岡市西区元岡744)
・2006年2月 – 久留米研究ラボを閉鎖して、福岡県福岡市早良区に「GNI創薬解析センター」を開設(現在は閉鎖)
・水口啓(GNI社外取締役)九州の政済界が設立した九州ベンチャーパートナーズ(福岡県福岡市早良区)の創業に参画。現在同社の代表取締役社長。
偶然とは思いますが『ピルフェニドン』に関わる施設(人)が福岡市に密集していたのは何かの因果関係を感じます。
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メキシコではピルフェニドンが肝線維症薬として上市していた
ピルフェニドンのことについて詳しく調べようとWikipediaを開いてみると冒頭に驚きの文言がありました。
『(省略)2014年米国とメキシコで承認された。メキシコでの適応は肺線維症および肝線維症である。』
<出典 ピルフェニドン – Wikipedia>
そして、以下が実際の薬(KitosCellLP®)が掲載されるHP(googl翻訳)の説明文です。
『KitosCellLP®は何ですか?
これは、線維症に対する直接的な効果を有する治療用抗線維化および抗炎症作用を提供する独自の式ピルフェニドンの経口持続放出、と最初の製品です。
それは、生活の質の改善に現れる結果を線維組織の修復及び再生、臨床および実験室の指標を改善したように、迅速かつ効果的に抗線維化作用肺線維症または肝臓の治療のために理想的です。』
<出典 cellpharma HP>
『修復及び再生』について俄かに信じ難いのですが・・・
ちょっと文法もおかしいので翻訳の問題かと思いますが抗線維化作用があることは間違いなさそうです。
つまりメキシコではピルフェニドンが薬(人体の肝線維症に対し有効)として販売されているのです
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ヒドロニドンはピルフェニドンの誘導体
この段落のためにだいぶ前置きが長くなってしまいました。。。
前段では『ピルフェニドンには肝線維症にも有効』という事例を踏まえ書きました。
では、ディスカバリー・オン・ターゲットでイン・ルオCEOが発表する『非アルコール性脂肪肝炎と線維症』はピルフェニドンとの関係についての説明なのでしょうか。
否と私は考えます。
2015年12月期通期 決算説明会
『当社グループは、100%子会社であるGNI USA, Inc. を通じ、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を適応症として、ヒドロニドンの治験許可(IND)申請を米国FDAに行う予定です。』
<出展 株式会社ジーエヌアイグループ HP>
決定的な理由として、2016年2月25日のIRでF351(ヒドロニドン)を非アルコール性脂肪肝(NASH)の適応薬として申請することを明言しています。
そもそも、GNI(2160)がアイスーリュイ(ピルフェニドン)で肝線維症の適応拡大を進めていないのは副作用の問題からとされています。
(株主総会でイン・ルオCEOが発言。)
だからKitosCellLP®は副作用が強い or 服用に際し色々な制約があるのではと勘ぐってしまいます。
そして次に大きな理由として、GNI(2160)はヒドロニドンというピルフェニドンを遥かに凌駕する新規化合物を発見してしまったため、これから進出する米国でピルフェニドン(IPF以外の適応)を展開をする必要がないことからです。
ヒドロニドンがピルフェニドンに対し、どれ程優れた薬かについて以下に概要を書きます。
ヒドロニドンはピルフェニドンに水酸基を付加した誘導体として開発され、 動物モデル研究にてピルフェニドンより副作用が少なく、抗線維化効果が大変大きいこと。
そればかりではなく肝機能の改善までも確認されています。
線維化の進行を抑制するだけでなく、この『機能改善』は非常に大きなアドバンテージとなるはずです。
更には心筋線維症、腎線維症、血管線維症、皮膚瘢痕等にも効果も認められ、今後世界規模の大きな市場展開が期待できます。
F351(ヒドロニドン)は現在、中国でB型肝炎の肝線維治療薬として第2相治験を進めています。
以前、IRに『第2相が終了次第、第3相に進む準備をする旨』、『米国FDAに第2相から進めるための各種資料提出を求められた旨』の記載から人体への有効性もあり、順調に進展していると推測されます。
そもそも、ヒドロニドンはピルフェニドンの誘導体であり、一般に誘導体はもとの化合物の性質を受け継ぐことが多いので、ゼロから開発する新薬と比べて圧倒的に成功率が高いとされています。
以上のことから満を持してF351(ヒドロニドン)が学会発表されるのではと推測されます。
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あとがき
冒頭に『非アルコール性脂肪肝(NASH)の確立した治療法がない』と記載しましたが、実はこのジャンルという意味ではライバルとなる薬がいくつか存在しています。
しかも米国FDAで第2相まで進んでいたり、ファスト・トラック指定されていたりと・・・
これから米国進展しようとするF351は不利じゃん!
と普通なら思うところですが私は心配していません。
何故なら後出しになったとして、『薬は副作用がなく、薬効が優れていること』が全てだからです。
その次に、リーズナブルという点も大切ですがこの点についてもライバルに負けないと考えています。
詳しくはまた別の機会に・・・
(本当はF351のことをもっと書きたいのですがかなり長文になるので。。。)
ところで今回の学会発表について気になっていることがあります。
イン・ルオCEOは大学時代、GNI前身の米国法人、Irisys等により米国での人脈があるかと思いますが、事業においてはまさにこれからというところで大きな実績は無いかと記憶しています。
しかし何故、学会発表のオファーがあったのでしょうか。
『非アルコール性脂肪肝炎と線維症』のテーマがあってオファーされたのか、オファーされてこのテーマとしたかは知る術はありませんが大きな力が働いているような気がしてなりません。
F351の米国進出に益々目が離せません。
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送信したら認識できないと出ましたので再度です。
よくまとめてありますね。いつも感心しております。
続F351を楽しみにしております。
NASH治療薬を検索しますと、メディシノバ、ブリストルなどのライバルは何社か存在しているようですが、F351も早くFDA申請してもらいたいものです。
F351はピルフェニドンに対し約10倍の効能、光毒性試験においても5~10倍の改善が認められた(2015展示会資料)とあります。
ピルフェニドンが肝線維症に効用がある最近日本でも発表されましたが、総会でも肝機能異常を増大させる副作用を認めているわけで、やっぱりF351ですよね!!
製造はアイリシス社、治験その他は新GNBAB社。
以前のIRでFDA承認されたら提携先を探すとありました。
自前での進出が整いつつあります。
世界はF351を待っていますよ💛
ほんとにほんとに目が離せません♪
>yakushimaruさん
『認識できない』は恐らく同じ時間帯に私が記事を編集中だったのかもしれません。
実は記事をアップした際、寝ぼけていたようで後で内容を読み返したら何を言っているのかよく解らなかったり、説明が不足していたので修正・追記していました。
大変失礼しました。
ブロックバスター候補ともいわれるF351、ライバルより優位性があるとはいえ早く治験を進めてもらいたいですね。
それに世界主要国に特許を取っているとはいえ、その期限にも限りがありますし。
そうですね、米国F351治験は以前パートナーを探すとコメントしていましたがBABを買収したことで自前で賄える環境も揃いつつあり、本当にやってのけてしまいそうに感じます。
今回の学会参加者で線維症やピルフェニドンに関わる関係者はF351(発表される前提で)に対し衝撃を受けることと思います。